墨字の文書からQRコードを作って(晴眼者向け)携帯電話で読む実験

先日、ある方より質問された。
簡単に言うと、晴眼者が比較的小さな負担でQRコードを作れないかというものだった。

というのは、
役所などから送られてくる書類は、墨字なので読めなくて、
かといって、点字で発行してもらうようにお願いしたいけど
点字を入力するソフトや点字プリンターを導入する必要があるのと
導入したとしても、利用率の問題もあってなかなか現実的な手法ではない。

で、SPコードが考えられるが、
技術としては素晴らしく、便利になる可能性はあるかもしれない。
ただ、専用の読み取り機器が必要なのと
現状では一般に普及していないのもあって、これもなかなか現実的だとは言い難い。

そこで着目したのがQRコードである。
QRコードの作成はフリーソフトで数多く存在しているので
作る側としては費用や手間という点で、ほぼ問題ない。
墨字の文書が完成したら、その中のテキストだけをコピー&ペーストして作る。

読む側としても、
専用機器を使わず、手持ちの携帯電話などで読むことができるので
新たに読み取りの機器を導入する必要もない。

もうひとつは、なんといってもQRコードは一般に普及してて
知名度は抜群なので多くの人が知っているのも大きな利点である。

もちろん、SPコードと比べると、
格納できるデータ量では圧倒的に不利であるが、
これらの利点を生かして、墨字の文書から簡単に作れると
作る側も読む側も少ない負担で情報が伝えられるたり
情報を得たりできる可能性が広がる。

QRコードを作る方法は
「QRコードを一般のインクジェットプリンタで印刷する方法を考えてみる。」
を参照いただきたい。

今回、これと違うのは、
名刺用紙など、特殊な紙を使わず、文書などで多用されているA4サイズの普通紙に
インクジェットプリンタやレーザープリンタでQRコードを作成する。
こうすることで、QRコードを作るためだけに特別な用紙を使わなくていいように配慮している。

A4サイズの普通紙にQRコードを2cm角で印刷すると
以下の写真のようになる。
今回はインクジェットプリンタで印刷している。

用紙の上部に印刷されるので、以下の余白が無駄になるが、
以下の写真のように、QRコードの部分を切り取れば
余白の部分をまたQRコード印刷に使えるだろう。
QRコードを複数個印刷する際には有効な手段である。

その後、印刷したQRコードをその大きさに切り取って別の用紙を台紙として貼り付ける
。 そうすることで、触ってQRコードの場所が分かる。
ただ、複数個となった場合、どちらが最初か順番が分からないので
以下の写真のように、台紙の左上隅などを斜めに切り落としておくことで、
順番が把握できるだろう。

今回の実験では、 ネットにあった、フリーのビジネス文例集をもとにQRコードを作成した。
そのリンクを以下に記載する。(Word文書です)
http://temp.shin-matsudacom.officelive.com/Documents/文例集.doc

この文書は350文字ほどあるので
大まかに3つに分けて、QRコードを作成した。

それで作ったのが、以下のような写真のものである。

一つ目は89文字、二つ目は193文字、三つ目は72文字である。

さて、これで携帯電話を使って読めるかだが、実際に読み取ってみる。
読み取りには、さざ波さんの読み取り台と無印良品のペンスタンドを使用する。

まず、さざ波さんの読み取り台から。

一つ目と三つ目は位置が合えばなんとか読み取れたが
文字数の多い二つ目は読み取れないときもあったり、たまたま読み取れるときもあった。
やはり、200文字にもなると、時間がかかる時もあるようだ。

無印良品のペンスタンドでやっても、あまり結果は変わらなかったように思う。

この点に関しては以前に紹介した
視覚障害者が携帯電話でQRコードを読んでみる(家内で実験・ちょっとだけサポート付き)。
でも触れているので参照いただきたい。
今回は前回と違って、インクジェットプリンタを使っているのだが
私のプリンタの印刷品質はPT-2430PCとPT-9700PCの中間くらいだったように思う。
このあたりはプリンタにって差が出るところだろう。
レーザープリンタならもっと鮮明に出ると思われる。

以上のことから、QRコードを一般のプリンタで作る際は
一つのQRコードあたり、150文字程度に区切っていくのが適当なのかもしれない。

墨字の文書の中に表があって、単純にコピペしてしまうと
意味が分からなくなってしまうなどの欠点があるのかもしれないが、
フリーソフトを導入するだけであとは手持ちのものを使えるという点で
双方にとってある程度のメリットはあるのかもしれない。

現在は役所などでSPコードを使っている機関や企業などがあるかもしれないが、
専用読み取り装置より、携帯電話を持っている人の方が圧倒的に多いはずなので
作ったけど、読み取り機器がなくて活用されないものより、
データ量に制限はあるけど、携帯電話で工夫すれば何とか読めるものの方が
利用者にとって優しいシステムだと思うので、
この記事を見た人で、役所などからの墨字の文書が読めなくて困っている人や
役所でSPコードを作っている人は是非、活用または宣伝をしていただけると幸いである。

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